観蔵院 曼荼羅美術館での奉納演奏を終えて
― 2025年11月23日 新嘗祭 ―
観蔵院 曼荼羅美術館で、アルケミー・クリスタルボウルの奉納演奏を行いました。
境内には紅葉が残り、凛とした清らかな空気に包まれ、秋から冬へと移ろう季節の境目を感じさせる、とても清々しい一日でした。冬の訪れ前の穏やかな「小春日和」となったこの日、境内の紅葉が錦の織物のように美しく輝いていました。
宇宙叡智そのものである両部曼荼羅の前で演奏させていただくと、色即是空で “空(くう)”に至り、また空即是色の現世を生きていく、宇宙の理を頭では無く意識レベルで実感いたします。
11年続くご縁の場所

曼荼羅美術館での奉納演奏は、今回が初めてではありません。観蔵院とのご縁は、2014年にさかのぼります。
私の代表作のひとつであるCDアルバム「クリスタルボウル セルフチューニング」の楽曲の音源も仏の世界と宇宙の叡智が集まる神聖な空間で収録いたしました。
満月と新月の瞑想会や、13チャクラオラクルカード発売記念コンサートも行わせていただきました。
活動の節目節目でお世話になり、感謝の気持ちが湧いてくる場所です。
ここにしかない両部曼荼羅の前で音を奏でるということ

今回演奏したホールには、染川英輔画伯が18年をかけて完成させた「観蔵院両部曼荼羅」が設えられています。
中国の古代経典をもとに、衣装や世界観を忠実に再現した、世界でもここにしかない曼荼羅です。
その前で音を奏でていると、演奏しているという意識は次第に薄れていきます。深い瞑想に入ったときのように、音も自分も区別がなくなり、ただ場の一部として在る感覚だけなのです。
またこの日は、ネパールの人間国宝・ロク・チトラカール氏のタンカ(仏画)のコレクションが世界中で唯一ここにある、この奇跡的な出逢いのお話を伺う機会もありました。
技巧や表現を超えた見事な芸術、そして祈りと芸術がどのように生まれて継承されていくのかを知る、印象深い時間でした。
26名の波動がひとつに

今回の奉納には、私のもとでクリスタルボウルのセッションを学ばれている超越ヒーリングの受講生26名が、ともに音を奏でました。
一人ひとりがアルケミー・クリスタルボウルを手にし、内側に “空(くう)”を感じながら、それぞれの音を静かに奏でていきます。
音が調和し、呼吸とリズムが自然に調和していくと、会場全体が深く静かな振動に包まれていきました。この調和こそが奉納で神聖と繋がるポイントだと感じています。
奉納の後、両部曼荼羅の前で「色即是空」における“空(くう)”へと導く瞑想会を行いました。
これは、何かを得ようとする時間ではなく、思考を一度脇に置き、ただ今ここに在るための時間です。
思考や感情を超えて、ただ存在していることを認識する、いまここにすべてがあるのが“空(くう)”。
そこには、すべての命がひとつとなるフィールドがありました。
新嘗祭という日に思うこと
11月23日は、新嘗祭であり、勤労感謝の日でもあります。
「感謝」という言葉は日常的に使われますが、この日は少し立ち止まり、しっかりと振り返る一日。
毎日の食事、健康、仕事、暮らし。
それらは決して当たり前ではなく、多くの人の手や祈り、積み重ねの上に成り立っています。
この日に奉納の場を持つことができ、私たちが生かされている日常と、その背景にある数えきれない恩恵に意識を向けることができたのは、偶然ではなく、流れの中で自然に辿り着いたようで必然だったのかもしれません。
この奉納には、受講生のご友人やご縁のある十数名の方々もご参列くださり、静かに、深く、魂の震えや感謝を共に分かちあう、ひとときとなりました。
すべての源と繋がり

観蔵院 曼荼羅美術館にて、クリスタルボウル奉納演奏 ~宇宙叡智に触れるひととき~でした。
曼荼羅の深遠なる美と、アルケミー・クリスタルボウルの清澄な響きが邂逅する時空間。
それは、宇宙の源「色即是空の空(くう)」、すなわち万物を生み出す根源的な静寂と、私たち自身の魂の中心とが深く繋がる、至福のひとときでした。
仏の教えのなかにも神の存在を感じ、神仏を超えて、すべての存在が一つの源から生まれていることを思い出す。。
この日の奉納は、その深遠なる叡智と再び出会う場であり、音と光と祈りが溶け合う時空間となりました。
神聖な響きは、私達とご参加の皆様の心身、そして魂の奥深くにまで浸透し、生命エネルギーを満たしていきました。
こうして奉納の機会をいただけることに、深く感謝申し上げます。

