台湾・台北へ行ってきました。
旅の中心には、日月潭での祈りや、故宮博物館、圓山大飯店で感じた大きなテーマがありましたが、今回はその番外編。
台湾の街を歩きながら出会った、小さな奇跡。
可愛いもの。
美味しいもの。
不思議な導き。
そんな旅のこぼれ話を、綴ってみたいと思います。
北投温泉で、石に呼ばれる

台湾で訪れた場所のひとつが、北投温泉です。
北投は、ラジウム鉱石の温泉として知られている場所。
街を歩いていると、温泉の湯気がふわりと立ちのぼり、土地そのものが深いところから呼吸しているように感じられました。
足湯を巡ったり、温泉が湧いている場所を見たりしながら、身体の奥がゆるんでいくような時間。
温泉地には、水の癒しだけでなく、地球の奥から湧き上がる鉱物のエネルギーがあります。
北投はまさに、火と水と石の力が重なった場所でした。
実は私は、北投石にとても惹かれていました。
「何か北投石にまつわるものが見られたらいいな」
そんなふうに思っていたら、ふと骨董屋さんのような不思議なお店が目に入りました。
なぜか、そこにある気がしたのです。

導かれるように中へ入ると、お店のおじさんがご自身の北投石を見せてくださいました。

その瞬間、
「ああ、私はこれを見るためにここへ来たんだ」
と感じました。
旅には、こういう不思議な出会いがあります。
買うためでも、探し当てるためでもなく、ただ、そのエネルギーに触れるために呼ばれる。
石との出会いも、人との出会いも、土地との出会いも、すべてはタイミング。
北投石を見せていただいた時間は、今回の旅の中でも、とても印象に残る小さな奇跡でした。
地下の秘密のトンネルへ
圓山大飯店では、地下の秘密のトンネルにも行ってきました。


ホテルの華やかなロビーや美しい装飾とはまったく違う、ひんやりとした空気の世界。
蒋介石が作ったと言われているトンネルで、最近公開された場所なのだそうです。
急な石の階段を、一段一段降りていくと、地上の賑やかさが遠のいていきます。
足元に響く音。
壁に残るひんやりとした感触。
空気の密度が変わる感覚。
まるで、表の台湾から、もうひとつの台湾へと降りていくようでした。
長い歴史を持つ建物には、見えている部分だけではなく、見えない物語が眠っています。
圓山大飯店の美しさの奥に、こんな秘密の抜け道があったこと。
その場所を実際に歩けたことは、まるで映画のワンシーンのようでした。
台湾のお寺は、祈りのスケールが大きい
台湾のお寺にも伺いました。
とにかくスケールが大きい中台禅寺は、世界最大級の高さ136メートル、37階建て、30万坪の敷地の広大なお寺でした。
真っ白で巨大な仏像。美しく輝く仏像が散りばめられたかのような盧舎那仏。
その周りを囲む、二万体の小さな仏像。
見上げた瞬間、思わず息をのみました。
白い仏様の静かなまなざしと、無数の仏さまたちの存在感。建物の内部にさらに薬師七重仏塔が建てられている、この巨大な建物全体が、大きな祈りのフィールドでした。
また街の中にあるお寺は、日本のお寺の静けさとは違い、仏教と道教、人々の願いや生活の熱、色彩、音、香りが満ちています。
祈りがとても近い。
暮らしの中に、神仏の存在が自然に息づいている。
その感じが、台湾らしくて、とても印象的でした。
台湾スタバの器にときめく
旅の楽しみのひとつは、街で出会う小さな可愛いもの。
私はアジアを旅する際は必ずスターバックスに立ち寄ります。
お目当てはその土地ならではの器。
台湾限定の器はとても可愛くて、思わず心がときめきました。

旅先では、その土地の文化、雑貨、食を通して実感できる喜びがあります。
色合い
形
手に取った時の感覚
そこに、台湾らしいやわらかさや遊び心を感じました。
こういう小さな出会いも、旅の大切な思い出です。
大きな聖地を巡る時間も素晴らしいけれど、ふと立ち寄ったお店で心が動く瞬間も、同じくらい豊かな時間。
魂の旅にも、こうした可愛い寄り道は必要ですね。
人に聞くことで出会えた、台湾茶問屋さん

台湾茶の問屋さんにも立ち寄りました。
紹介していただいて訪れたその場所は、観光客向けのお店ではなく、本当に業者の方が茶葉を買いに来るような問屋さん。
華やかな観光地とはまた違う、静かで本物の空気がありました。


そこで、美味しい茶葉を購入することができました。
旅先で、ガイドブックだけでは見つからない素敵な場所へと導いてくれるのは
ホテルの方やタクシー運転手さん、現地の方の行きつけのお店。
今回の台湾茶問屋さんとの出会いも、まさにそのひとつ。
茶葉を手にした時、ただお茶を買ったのではなく、台湾の土地の香りと、人とのご縁を一緒にいただいたように感じました。
黒胡麻ソフトを堪能
そして、台湾では食も楽しみました。
特に印象に残っているのが、黒胡麻ソフト。
看板は黒と赤の強烈な看板と写真でしたが、とても優しく本格的な味。
そして店内に観光客は一人もいない、ルーローハンの食堂。西瓜ジュースはどのお店でも屋台でも
歩いた後の身体に、すっと染み込むような美味しさでした。
屋台と外食の充実した台湾の食はどこかやさしくて、身体に馴染みます。
華やかすぎず、でもしっかりと滋味がある。
臭くて美味いと評判の臭豆腐(しゅうどうふ)も熱々が美味しかった!
注文してからオレンジを4つぐらい使っって搾りたてを出してくれるジュースの屋台!
土地の気候や人のあたたかさが、味の中にも表れているようでした。
旅先でいただくものは、ただの食事ではなく、その土地のエネルギーを身体に迎え入れること。
黒胡麻ソフトも、台湾の楽しい記憶と一緒に、今も心に残っています。
街を歩くことで受け取る台湾
台湾の旅は、名所を巡るだけではありませんでした。
道を歩く
お店に入る
人と話す
湯気を感じる
香りに立ち止まる
可愛いものに心を奪われる
そんな何気ない時間の中にも、台湾の魅力がたくさん詰まっていました。
旅は、予定通りに進むことだけが面白いのではありません。
むしろ、ふと気になって入った場所や、偶然出会った人、思いがけず見せていただいたものの中に、魂に残るメッセージが隠れていることがあります。
北投石との出会いも、地下トンネルの体験も、可愛い器も、黒胡麻ソフトも、お寺で見た祈りの風景も。
すべてが、台湾の旅のギフトでした。
台湾の余白に宿る、あたたかな記憶

今回の台湾の旅は、大きなテーマを受け取る旅でもありましたが、同時に、心がふっとゆるむような楽しい時間にも恵まれました。
神聖な場所で祈る時間。
歴史に触れる時間。
そして、街を歩き、食を楽しみ、可愛いものに出会う時間。
どれもが旅の大切な一部です。
大きな気づきは、時に荘厳な場所で訪れます。
でも、小さな幸せは、街角や湯気の中、甘いソフトクリームのひと口にも宿っています。
台湾は、龍のように力強く、
温泉のようにあたたかく、
お寺の祈りのように深く、
そして街歩きの中では、とても可愛らしい表情を見せてくれる場所でした。
私にとって忘れられない宝物のような旅になりました。

